ケーナの奏法研究の5回目は曲を吹く為のテクニックを紹介します。
テーマはタンギング。
タンギングは基本練習法のエントリーでも紹介しましたように、ケーナを吹く上での基本となるテクニックです。
そのタンギングを、曲を吹くなかでより効果的に使う方法を書いていきたいと思います。
また、ケーナだけでなくシークやフラウタなど他の楽器にも応用ができます。
ここでは色々な用途に使えるタンギング技法を紹介します。
*この記事はあくまで個人の経験を元に書いていますので、ご承知置きください。
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まずは、早く細かいフレーズを吹くときに役立つタンギング技法です。
◇ダブルタンギング◇
基本である「トゥートゥー」というタンギングの仕方では、早く細かいフレーズを吹くときにタンギングが追いつかなくなってしまいます。
そこで、より細かくタンギングをする方法が「トゥクトゥク」とタンギングする方法です。
一般にはダブルタンギングと呼ばれている技法です。
結構使う頻度が高いテクニックだと個人的には思うので、身につけておいて損はないかと思います。
◇トリプルタンギング◇
ダブルタンギングの応用で「トゥクトゥ」とタンギングして3連譜を吹く方法もあります。
こちらはトリプルタンギングとも呼ばれていますが「フォルクローレ音楽の曲」で使用する頻度は少ないでしょう。
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続いて、タンギングで強弱変化をつける方法を紹介します。
タンギングをする強さにより立ち上がりの音の強弱変化を付けると同時に、
メロディーの流れなどにも変化を付けることができます。
◇強いタンギング◇
吹き口を舌で塞ぐようにしてタンギングします。
出す息を舌で塞き止め、タンギングをしたと同時に口腔内に溜まった空気が一気に流れ込むイメージです。
一気に息がでるため、立ち上がりの音が大きくなります。
逆に一瞬息を留めるので、このタンギング法でフレーズを吹いていると「ぶつ切り」な印象にもなります。
◇弱いタンギング◇
単銀をする際に「ルールー」と発音するようにタンギングをします。
舌の位置は口蓋に接するようにします。
ほとんど舌で息を留めないため、立ち上がりの音圧は低くなります。
◇中間のタンギング◇
上記の2種のタンギングのちょうど中間程度のタンギングです。
タンギングする際に、舌を前歯の裏側あたりに当てるようにしてタンギングします。
私はこのタンギング方法をよく使用しています。
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最後にその他のタンギング(?)技法を紹介します。
◇タンギングしない◇
タンギングをしないというのも一つのテクニックです。
慣れてしまうとタンギングをしないことが逆に難しくなってしまいますが、
あえてタンギングをしないというのも音の表現に幅を持たせることができます。
◇指切り◇
舌を使わないのでタンギングとは違いますが。。。
タンギングをしない場合に、音を区切る方法として指切りという技法が使われます。
音を区切る際に別の音を一瞬出す(運指を変える)というとても単純な方法です。
例えば、フレーズの中でラーラーと同じ音を続けて出し、かつ音を区切りたいと言ったケースの場合、
音を区切るところで、ソやシといった別の音を出す運指にします。
この時は息は出し続けていますので、一瞬別の音が鳴ります。
この一瞬別の音が入ることで音を区切って聞こえるようにしています。
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(2012/2/21:追記)
このエントリを公開した後、エアータンギングという技法を教えていただきました。
この技法を調べている際にもう一つタンギング技法を思い出したので追記します。
◇エアータンギング◇
舌を使わずに、息だけでタンギングするテクニックです。
クラシック系の楽器ではよく使われている技法だそうです。
舌で音を切るのではなく、腹で切るイメージでやります。
音を切るタイミングで「フッ!」と一瞬息を吹き込む要領で行います。
◇フラッタータンギング(巻き舌)◇
こちらもクラシックなどで使われる技法で、巻き舌を利用します。
タンギングポイント(主にフレーズの立ち上がりなど)で巻き舌を使います。
巻き舌ができる人であればおそらく難しくはないでしょう。
巻き舌を使ったテクニックの応用として、フレーズを吹いている最中に巻き舌をすることによって、
フラッター奏法へと発展させることができます。
この方法を使うと、細かなビブラートがかかっているような音を出すことができます。
(追記終了)
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以上、タンギング技法の紹介でした。参考になりましたか?
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