今回のライブレポートは出演したグループ全て(総勢15グループ)に一つ一つコメントをつけようと思います。かなり長い記事になりますので、ご了承ください。
会場の立川市民会館小ホールは良い感じの大きさで、客席も最大280人とちょっとしたイベント、特にフォルクローレのコンサートをやるくらいならちょうど良い大きさだと感じました。
客席は6~7割くらいは埋まっていた印象です。客層は大分上の方が多いように感じられました。
冒頭に今回の企画運営について一言、指摘すべき点があると申し上げておきます。
まず、一観客から見ても分かるくらいの運営能力の低さというのを感じました。
タイムスケジュールをさらっと聞いたときは、はっきりいって「ありえない」と感じました。設営やバラシにかかる時間の見積もりが甘く、さらに細かい調整などもする時間もほとんどなしと何とも言いがたい状態であったと思います。正直、運営面で見れば学生のコンサート企画のほうが断然マシです。
カルカスコンクールという企画を急遽チャリティーに変更したようですが、それでも宣伝告知は一ヶ月程前からやっており、その期間を使って当日の段取りを詰めることは出来たのではないかと思います。
また、予算をケチったと思われる部分から来る当日のリハ不足+スタッフ不足(主にPA)が目立ったというのも、運営のまずさをさらに大きくしたのではないかと思います。
チャリティーという部分に甘えず、今回の企画について大いに反省し、よりよいコンサートを提供していただけることを願います。
では、本題のコンサートの感想に行きたいと思います。
まずは第一部。
先に指摘した準備不足が非常に際立っていました。PAの音作りが全く出来ておらず、正直言ってコスキン・エン・ハポンを見ているのと同じ感覚でした。
ブランカ・ロサ
一曲目La Wipharaは確か菅沼ユタカ氏が書いた曲でしたっけ?以前自分の同期のグループが演奏していたのを聴いていたこともあり、懐かしく思いました。
緊張されていたのか指が震えていたようにも見えましたが、ケーナはやさしい音がしました。
惜しむらくはギターのベースがほとんど入っていなかったところでしょうか。
ミスティ
ペルー音楽を演奏していました。ヴァイオリン、マンドリン、ケーナ、アルパの編成で演奏された一曲目Ollantayでは、ケーナの味のあるすばらしい音が印象的でした。二曲目はワイノの「アンデスの君」では、かわいらしいボーカルが印象的でしたが、女性ボーカルのリズムの取り方(体の動かし方とでも言いましょう)がなんとなく曲と合っておらず、少し違和感を覚えました。
また、男声がファルセットでコーラスに入った部分は音程が不安定で少々聞きづらい部分がありましたが、後々通常の音帯で男声が入ってくると全体が一気に盛り上がったように思います。
菅沼聖隆
ギターのソロで登場。まだ高校生だというのになかなかの体格。そしてお父さんに良く似ている(笑)彼のギターは素晴しい。良くここまで弾けるなと。
特に2曲目のSoledadはフォルクローレを良く知っていているアレンジの仕方でした。
リズムの取り方も安定していて、安心して聞くことが出来ました。
ロス・アルムーノス
グルーポ・カンタティの門下生によるグループだとか。トータルバランスは良いように感じました。ただビエントスがマイクから離れていたのか、マイクが入っていなかったのかわからないが、音があまり聞こえなかったのが残念。
ここからはカルカスコンクール部門です。
ロス・カルルナス
コーラスの完成度は流石。メインボーカルを成川氏に変更したようですが、色々なところで彼の歌を聴いているので、良くも悪くも彼の世界になってしまっているようにも感じました。何はともあれ、優勝おめでとうございます。
ロス・ラプラス
よく見たらカンタティ+αというメンバー構成なんですけど、これってアリですかね?演奏は一人ひとりが好き勝手やっている印象で、とにもかくにもまとまりがありませんでした。
Takuya&Yoshio
そういえばこのコンビを拝見するのは数年ぶりになるかなと思います。いろいろネタを仕込んできており、普段以上にはっちゃけた演奏だったのではないかと。
ラップの仕込みは最高でした。
ダンサ・ボリビアーナ
一部最後はセノビアさんのダンス。チャカレラ2~3曲とクエカ1曲でした。ステージに近い場所で見ていたせいもあってか、とても迫力のあるダンスでした。
続いて第二部。
一部とは違って、プロの方が多く出演する部でした。PAも割と良くなっていたかなと。
岡田浩安&須藤かよ&渡辺大輔
シーク+ピアノ+ケーナ(カホン)での編成。一曲目はLEGEND。ピアノの音がとても澄んでいて気持ちの良い演奏でした。曲の雰囲気とピアノの音が合さったこともあり、すこしゲーム音楽っぽいなとも感じました。2曲目は赤い雲。音圧もあり圧巻のMAYAサウンド&クオリティ。ジャズにアレンジされ、岡田さんと須藤さんのインプロがノリに乗っており、とても素晴しい演奏でした。
夕美子/ジロー
ボーカル+ギターの編成。一曲目はボサノヴァ。二曲目はアルフォンシーナと海でした。語りかけるようなやさしい歌い方で、特に低音域の声がよかった。
峰万里恵/高場将美
こちらもボーカル+ギターの編成。ねっとりとサンバを二曲歌い上げていました。こちらは力強い独特な歌声でした。
Daijito y su Charango
ダイジートとホセ犬伏によるデュオ。演奏曲は「砂地の故郷」と「チュキサカへの道」。言わずもがな安定のクオリティ。
僕の中ではダイジート=>カルーヨの図式が完全に定着しました。
菱本幸二ユニット
演奏した曲は、時の記憶Ⅱとモレナーダメドレー(Morenada Aida / Aromeñita)。ギターのマイク音量がなぜか低かったり、バイオリンが大きすぎたりとPAの音量バランスが最初悪かった部分で損をしてしまっているなと。
ルイス・カルロス・セベリッチ&エフライン・グティエレス
ボリビア出身による2人組。この組み合わせは珍しいかなと。演奏の空気感はやっぱり本場のものを感じました。ぜんぜん違いますね。El Regresoでの歌の掛け合い、コーラスなどは圧巻でした。グルーポ・カンタティ
トリはカンタティ。何気に生でカンタティを見るのは初めてでした。ケーナの武田耕平くんの演奏スタイルは山下洋平さんにすごく似ているなと思いました。どうなるのか楽しみです。
演奏曲は「桜舞曲」と「混血の大地」。桜舞曲の方は和のテイストを取り入れたとのことですが、ところどころどこかで聴いたような旋律なのが。ケーナの旋律は非常にいいのですが、チャランゴの音が和のテイストに馴染んでおらず浮いた印象でした。
以上長くなりましたが、チャリティーコンサートの感想でした。
プログラム終了後は、(観客で来たのに)バラシを手伝い、その後一部出演者と共に打ち上げに参加しました。
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